警報が鳴った最初の数秒で最も大切なこと

サイレンを聞いたり、スマートフォンに通知が届いたりしたときは、固まってしまったり動画を撮り始めたりせず、いくつかのシンプルな行動をとることが大切です。基本の手順は次のとおりです。

  1. 今していることをすぐにやめる — 「急いで終わらせよう」としないこと。
  2. 信号の発信元を確認する — 公式アプリなのか、街頭スピーカーなのか(下の「情報源」の項目を参照)。
  3. スマートフォン、モバイルバッテリー、身分証明書、水を持って出る — この最小限のセットは、あらかじめ手の届くところにまとめておきましょう。
  4. 最寄りの避難場所へ向かう — 落ち着いて、しかし速足で。
  5. 近くに避難場所がない場合は「2枚の壁ルール」を使う。

これは「念のため」の助言ではありません。ウクライナでの空襲警報は、ミサイルやドローンによる攻撃という現実の脅威を意味しており、対応にかけられる時間は数分単位のこともあります。

2枚の壁ルール:避難場所に間に合わないとき

避難場所までたどり着けない場合、あなたを守るのが2枚の壁ルールです。考え方は単純で、あなたと建物の外壁との間に、少なくとも2枚の頑丈な仕切り壁があるようにします。1枚目の壁が衝撃と破片の大部分を受け止め、2枚目があなたを守ります。

具体的には次のようにします。

  • 廊下、浴室、その他の窓のない内側の部屋に入る。
  • 窓、ガラス扉、鏡から離れる。攻撃時の最大の危険は爆風そのものよりもガラスの破片です。
  • バルコニーに立ったり、「見てみよう」と外に出たりしない。
  • 床に座り、両手で頭を守る。

2枚の壁ルールはあくまで一時的な対処です。警報が長引く場合や爆発音が聞こえる場合は、安全が確保でき次第、正式な避難場所へ移動しましょう。

最寄りの避難場所の探し方:公式マップとアプリ

ウクライナには国が整備した避難場所のネットワークがあり、その位置は公式マップに掲載されています。外国人にとって最も確実な方法は、通りすがりの人に尋ねることではなく、信頼できる情報源を使うことです。

  • 公式アプリ「Air Alert」(空襲警報アプリ) — 州ごとの警報状況をリアルタイムで表示し、プッシュ通知を送ります。App StoreとGoogle Playで入手できます。
  • 自治体の避難場所マップ。 多くの都市(キーウなど)では、市議会の公式ポータルに避難場所のインタラクティブマップがあります。自治体の公式サイトで「避難場所マップ+都市名」で検索してください。
  • Google マップにも一部の避難場所が表示されますが、公式の情報源ではないため、あくまで補助として使いましょう。
  • 地下鉄の駅は、キーウとハルキウでは警報時に正式な避難場所として機能します。

アドバイス:ホテルやアパートに到着したら、すぐにオーナーやフロントに最寄りの避難場所を尋ね、明るいうちにそのルートを実際に歩いておきましょう。数分の準備が、実際の警報時に決定的な時間を節約してくれます。

状況別の対応:自宅、屋外、交通機関、地下鉄

自宅の場合。 2枚の壁ルールに従って内側の部屋へ移動するか、建物内や近くに避難場所があれば下りていきます。エレベーターは使わないこと。停電時に閉じ込められる恐れがあります。靴と「非常持ち出し袋」は出入口のそばに置いておきましょう。

屋外の場合。 最寄りの避難場所、地下道、地下鉄の駅に入ります。近くにない場合は、ガラスのショーウィンドウ、高い建物、駐車中の車から離れ、地形のくぼみ(側溝や窪地)に伏せて頭を守ります。

交通機関の場合。 公共交通機関の運転手には停車して乗客を降ろす義務があります。落ち着いて車内を出て、最寄りの避難場所へ向かいましょう。自家用車の場合は、路肩に寄せて停車し、安全な場所へ移動します。橋、高架、ガソリンスタンドのそばに車を停めないでください。

地下鉄の場合。 すでに最も安全な場所の一つにいます。ホームの端から離れ、警報解除を待ちましょう。係員のアナウンスに従ってください。

公式の通知手段:状況をリアルタイムで確認できる場所

警報を見逃さず、同じくらい重要な警報解除もタイミングよく知るために、公式の手段だけを頼りにしましょう。

  • アプリ「Air Alert」 — ウクライナ語と英語でのプッシュ通知の主要な情報源。
  • 都市のサイレンと警報システムのスピーカー
  • 現在滞在している州の州軍政局の公式Telegramチャンネル
  • 各地域の公式データを集約した、警報マップ付きのサイトやアプリ

警報解除も警報と同じ方法でアナウンスされます。周囲が静かになったというだけで避難場所を出ず、公式の合図を待ちましょう。

これがあなたの保険に直接関わる理由

あらゆる注意を払っても、戒厳令が敷かれている国への渡航は高リスク地域への旅行であり、通常の旅行保険はこうした状況を補償しないのが一般的です。戦争リスクを補償する専用保険は1日あたり数ユーロ程度で、戦争に関連する事象による医療費を補償できる場合があります。加入は事前に済ませられます。ウクライナに入国する前に保険料を計算して加入することをおすすめします。

地域による除外事項に注意してください。補償は通常、次の4つのカテゴリーの区域では適用されません。国家の法令で定められた戦闘地域、一時的に占領されている地域、これら両方の区域を囲む50キロメートルの緩衝地帯、そして特別なアクセス規制が設けられた区域です。これは「州全体」ではなく、その状態を公式文書で定めた具体的な区域です。これらの区域の外にとどまるようにルートを計画しましょう。

まとめ

空襲警報は、手順を知っていれば対処できる状況です。公式の通知アプリをインストールし、最寄りの避難場所をあらかじめ確認し、2枚の壁ルールを覚え、自分の状況に合ったシナリオに沿って落ち着いて行動しましょう。準備にかかるのはほんの数分ですが、それが命を救います。